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私は、家の近所の喫茶店へ母とよく行っていた。
私はそこの喫茶店のマスターがとても大好きでした。
とても楽しくて明るいマスター。
母は、マスターの挽きたてるブレンドコーヒーが好きでした。
私はマスターとお話するのが、とても楽しみだったのです。
マスターがとてもいい人だったこともあって、その喫茶店はとても繁盛してました。
ドアが開き、お客さんが次々と出入りします。
人が来店するたびに母は…
ドアの方を振り返り、お客さんの方を見るのです。
母親のその癖が、私はたまらなく嫌でした。
母は何故そんなにドアを振り返り見るのかと言うと…
近所の団地に住んでいる、苦手な中年女性がここの常連だからです。
その女性はとても派手な人で、とにかく声が大きい。
いつも自慢話をして、注目を浴びています。
その女性が来るといつも母は、不機嫌になるのです。
不機嫌になるだけならいいのですが…
『あからさま』に態度が悪くなるのです。
まるで威嚇しているかの様な態度をとるのです。
周りの人たちもその女性を迷惑に思っている人の方が多かったようで、とても嫌われていました。
だけど、周りの人たちは『大人の対応』をしていて、相手にしなければ『はいはい』と話を聞いてあげていました。
ある日、いつもの喫茶店へ母に連れて行ってもらいました。
すると、その中年女性が居たのです。
母はその人をずっと気にして、イライラしていました。
中年女性はいつものように、大きな声で自慢話に花を咲かせていました。
母はついに…
『そんな自慢話聞かされて、誰も楽しくないわよ。あなたは嫌われているのよ?わからないの?』
と、声を荒げて本人に伝えてしまったのです…
空気が凍りつきました。
マスターが、
『今日は帰ってくれる?』
と、母に伝えにきました。
母はどうしてマスターに帰らされたのかわからず、その事でもイライラしていました。
私はその喫茶店がとても居心地が良くて、優しいマスターも大好きでした。
だけど、母のその一言でその喫茶店には行きづらくなり…
その出来事があってから、そのお店には行けなくなりました。
私はとても恥ずかしい思いをしたのを、昨日の事のように今でも覚えています。
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