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カエルの子
ご覧いただきありがとうございます。
私の母は、銭湯がとても好きな人でした。
週に一度は、必ず連れて行ってくれました。
よく行く銭湯があって、そこの銭湯では常連の人たちは皆、私を知っています。
私が赤ちゃんの頃から、母が一緒に連れて行き可愛がってくれていました。
母が私を連れてお風呂に入る姿を見て、
『抱っこしておくから、身体を洗いなさい』
と言い、世話をしてくれたそうです。
その時から、常連さんたちは私に良くしてくれていました。
時にはジュースを買って飲ませてくれたり、お菓子をくれたりと、みんなとても優しい人達でした。
銭湯へ一緒に行くとき、母はとても機嫌が良く一度も私に怒った事がありませんでした。
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カエルの子
母と2人で出かけた時は、怒られた記憶があまりありません。
2人の時は、母はとても優しいのです。
父親といる時の母はとても機嫌が悪いし、兄といる時はすごく厳しい人になります。
でも、2人の時はとても優しい母になります。
家族がいる時は、優しい母が見たくて、私はいつも、母に気を使います。
家事を手伝ってみたり、買い物へついていき荷物を持ってあげたり、
肩を揉んであげたり、料理を作ったり…
色々な事をやって、母を振り向かせたかったのです。
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母はいつも、何かと大変そうな感じがしました。
兄は、言うことを聞かず
父は、寝てばかり
なので父と兄が家に居る時は、特に機嫌が悪かったのを覚えています。
母は土曜日の夜、いつも私を銭湯へ連れて行ってくれます。
お風呂の準備をする時は、浮かれた気分になるほどです。
銭湯へ向かう時の母はとても笑顔です。
『いつまでもその笑顔が続いてくれたらいいな』
と、私は子供ながらいつも思っていました。
だから、銭湯へ行く日は特別な日でした。
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